- ono8931
ERPでKPIを管理する方法とダッシュボード事例を解説
【本記事の概要】
KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)やKGI(Key Goal Indicator:重要業績達成指標)と実務の現場における業務をリンクさせることで、業務や作業の状況を可視化し、効果測定や改善、すなわちPDCAサイクルが正常に稼働します。
KPIやKGIを適切に扱えるERPを利用し、実現や達成が可能なKPIを設定すれば、おのずと結果がプラスになるという意味でもあります。しかし、KPIやKGIは現場の担当者やシステム提供元と経営陣や管理職との間に隔たりが生じやすく、達成どころか曖昧な目標設定のみで結果につなげられないことがほとんどです。
今回は当社Shearwater JapanがYoutubeにアップし、公開したダッシュボード利用&正しいKPI設定(https://youtu.be/UnZjtDsgQBA)の動画を元に、KPIの基本について詳しく解説します
◆KPIと現場の担当者およびシステム提供元、KPIと経営の関係
ユーザーである現場の担当者とシステムを提供するシステム屋さんは基本的に会話が噛み合い、議論ができる状態です。
例えば、ユーザーは業務を簡単・楽にしたいと考えた場合、システム屋さんは業務にあった明確なシステムを作ることに注力できます。なぜなら、現場の実務担当者であるユーザーは、具体的にどの業務・作業を効率化や最適化すべきか明確にしやすいからです。言い換えれば、何をすべきか具体的にわかりやすいため、システムに組み込んだり、既存の機能をカスタマイズ・チューンすれば済む問題に落とし込める理想的な状況と言えます。
しかし、経営層や管理職の場合、最適化や効率化、自動化、DXの推進など単語としては具体的でも、数値や実務レベルに変換しようとすると曖昧であり、未知な状況なためシステム的に構築が不可能になりがちです。
その上で事業や業務全体において見ている部分が違うため、仕組みや枠組みなどにおいても具体的に決定できない部分もあるため、どうしたいのか、何を目指すのかわからず、システム屋さんにうまく伝わらなくなってしまいます。
極端なことを言えば、売上を2倍にしたい、でも、誰がどうやって何をすれば2倍になるかわからないが、ERPやKPIでなんとかなるだろうと、身勝手な要望となり、結果的に目標設定も達成もできない状況に陥るのです。
◆経営の目的と手法、課題や問題点
経営の役割とは事業目的を達成するために、継続的・計画的に意志決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること、また、そのための組織体です。
例えば、最終的な売上となるKGIを設定し、提供できるか予測し、売れるかどうか、売るための活動・タスク・時間を計算し、実際に誰が、どうやってやるのか、どこからお金を捻出するのか判断し、決定するのが仕事です。
適切に判断して決定するためにはデータが必要ですが、時に経営は未知の数値や仮説の目標を得たいと要望してくることがあります。データがあれば何でもレポート化できるだろう、出力できるだろうという考えがあるためです。
しかし、システム屋としては未知の数値や仮説の目標を出力するといった曖昧な要望ではシステムに盛り込んだり、実装したりすることはできません。言い換えれば明確でないものは作れないため、標準的なものや効率化や最適化とは程遠いものができてしまうのです。
解決策としてはKGIやKPIを明確な数値や目標にすること、細分化しやすく、業務に落とし込みやすくすることが挙げられます。実際にどのようにすべきか、次項でKPIの設定事例を紹介しつつ、ERPと正しいKPIの仕組みや考え方について解説しますのでご一読ください。
◆KPIの設定事例
「前提条件」
来年12億円を目標と設定
売上/事業(2つ、50%)/月
平均単価(売上/数量)
粗利(数量×(平均単価-平均原価))
リード数(受注<見積り<商談<リードのCV%)
販管費(従業員数×1一人あたり去年販管費)
上記はKPIの設定事例における前提条件です。
| 万円 または 数 | KPI | 表現 |
売上目標 | 12,000 | 売上 | KPIメーター |
事業別月別 | 500 | 事業別推移売上 | 棒グラフ |
平均販売単価 | 10 | 平均販売単価 | 主要業績評価指標 |
粗利 | 0.123 | 平均粗利率 | テーブル(アイテム別、販売数量) |
新規リード/月 | 100 | 新規リード | ステージ別のリード |
販管費 | 1000 | 一人当たり経費 | トレンドライン |
上記の表は項目ごとにKPIを設定した例になります。これらは会社全体観点をKGIの基軸として、各組織観点や個人観点でKPIに細分化し、分解する形で具体的に達成できる数値を設定しており、明確なためERPシステムに適合しやすくなっています。
実際に前提条件の目標や過去の数字が盛り込まれていることで、KPIの根拠が明確であるため、実務の担当者が何の数値を達成すべきか、何をすべきか見えてきます。
・Specific(明確性:人によって解釈が異ならないか)
・Measurable(計量性:測定することが可能な目標か)
・Achievable(現実可能性 達成可能性:実現可能な数字設定か)
・Relevant(関連性:ビジネスのゴールと関連性があるか)
・Time-bounded(Timely)(適時性:期限が設定されているか)
上記はKPIを設定する際に意識すべき項目です。簡単に言えば明確かどうか、効果測定できるか、具体的で現実的に達成できるか、事業に関連しているか、合致しているか、そして期限が設定されており、期限が適切かどうかと言えます。
その他、KPIのシステム設定事例、業種別KPIの事例、部門別代表的なKPIの設定項目や事例については、ウェビナー動画のKPIのシステム設定事例( https://youtu.be/UnZjtDsgQBA)にて詳細に説明しておりますので、お時間のある時にご参考ください。
◆ERPのKPI管理の限界領域
ERPによるKPIの管理には限界があります。限界というよりも対応できない領域・分野といった方がわかりやすいかもしれません。実際にERPは過去と現在で確定している社内データの管理は得意ですが、未知の数値や仮定の目標には対応していない、もしくは向いていないためです。
しかし、経営としては未来に向けて社内と社外のデータをベースに判断や決定をしたい、シミュレーションを行って計画し、目標を立てて、予算を決める必要があります。これらを実現するための方法として、すなわち現在と過去、未来をつなぐためにNetSuiteとWorkday Adaptive Planningを連携し、組み合わせる方法をご紹介します。
NetSuiteはERP、そして連携するWorkdayはCPM(Corporate Performance Management:企業業績管理・予算管理)に優れたシステムであり、組み合わせることで過去と現在、そして未来のデータを得られるようになるのです。
結果的に将来に向けてプランを立てることが可能となり、Adaptive導入により効率化され、PDCAサイクルが早期化されることにより、経営者と経営企画部門、現場部門での情報がリアルタイムに連携され、マネジメントレベルでの意思決定のスピード化を実現します。
ERPとCPMを組み合わせることでKPIの根拠となる数値を得ながら、リアルタイムに可視化された情報を元に、ダイナミックに再計画を行うことも可能となり、柔軟で成長に合わせた事業活動が可能になるということです。
◆KPI設定への現場の課題
一般的な企業では、業務ごとに異なるシステムやサービスを利用しています。例えば営業・会計・経理・人事・倉庫・生産など、それぞれの業務に合わせたシステムがあり、実際の業務も内容は異なり、データの扱いも異なってしまいます。
結果としてデータ整合性が低くなるため、データを整える時間が必要になり、リアルタイムでのデータの可視化ができなくなってしまうのです。
解決策として、NetSuiteのようなERPを利用し、単一のプラットフォームで80%以上のプロセスや業務を管理する、すなわち、業務などメインプロセスを統合する方法があります。
同じく課題として、複数の事業、グループ会社との取引や連結、かつグローバルなビジネス展開の場合ですと、各種データの整合性を高めることに、さらに労力や時間などのコストを多く要します。この場合もNetSuiteのようなERPを利用し、データの共有と業務の標準化、最適化、効率化を実現することで、課題のほとんどは解決されます。
また、データが古く、リアルタイムに共有できないという課題は経営判断の遅延を招きます。同時に各現場の管理職や担当者のKPIに関しても達成しているのか、どのような状況かわからないために成長力を削がれてしまう可能性も高いです。
言い換えれば、NetSuiteとWorkdayによってERPとCPMを導入することで、リアルタイムな情報共有とともに、高度な予測が実現可能となり、経営判断がしやすく、かつ成長力を高めることにつながるということです。
◆まとめ:KPIやKGIを業務に反映したいならNetSuiteがおすすめ
今回は当社Shearwater JapanがYoutubeにアップし、公開したダッシュボード利用&正しいKPI設定(https://youtu.be/UnZjtDsgQBA)の動画を元に、KPIの基本について詳しく解説しました。動画の後半ではNetSuiteの実績や実力について紹介しておりますので、この記事を参考にしつつ、動画のご視聴をおすすめします。
KPIは単なる努力目標や標語ではなく、計測可能な数値を設定し、着実に達成することが重要です。NetSuiteであれば設定したKPIにおける業務の状況が可視化され、KGIに向けてどの程度、数値が達成しているのかが日々リアルタイムで確認できます。
KPIやKGIを設定したがどのような形で業務に反映すれば良いかわからない、設定した数値の測定ができない、情報が古く、遅延しており正確性に乏しく、判断しにくいなど、システム的に課題や問題が山積みであれば、ぜひともこの機会に当社Shearwater Japanにご相談、お問い合わせください。
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