- ono8931
予実管理クラウドで管理会計を強化し、企業価値の向上を図る日本の事例を公開(メーカー)
更新日:2022年4月20日

(本内容はWebサイト改修に伴い非公開となった過去インタビューの再掲載記事です)
競争力強化のため予算管理から“原価目標管理”にシフト!~飲料メーカーA社~
A社は飲料メーカーグループの中核を担う日本綜合飲料事業の中で、ビールやその他酒類の製造・販売を行なっています。生産部は全国にあるビール9工場の統轄を行ない、生産戦略および技術戦略を策定・実行のミッションを担っています。
(本内容はWebサイト改修に伴い非公開となった過去インタビューの再掲載記事です)
現場ごとの異なるフォームで、同じ作業を何度も行うエクセルの予算管理業務
【導入前の課題】
A社では毎年秋から年末にかけて年度計画を作成するのですが、まず各工場でExcelを使って費用予算を作成し、それを生産部で集計して、原価管理システムにデータのアップロードを行っておりました。
Excelでの運用は、費用項目の変更や組織の増減に柔軟に対応できる一方で、計算式が違っていることに後で気付いたり、本社で作成したシートを工場で勝手に変更してしまうこともあり、データの修正や集計に非常に時間を取られていました。また工場が独自にExcelシートを作成している場合も多く、時が経つにつれて予算の作成根拠が不透明になっていました。
そのような状況では、データの集計に時間がかかり、かつ膨大なワークシートの中から計算式が違っているセルを見つけることが難しく、誤りに気付くまで間違った数値で作業を進めることになっていたということです。また、修正する際には1工場だけの問題なのか全工場に影響するのかを一つひとつ確認していかなければなりませんでしたし、その都度、資料の再作成の依頼をしたり、データの集計をやり直さなければなりませんでした。
工場では、醸造・パッケージングなどの各製造工程に加え、品質保証・エンジニアリング・総務など間接系の部署にもそれぞれ担当者がおり、1工場で直接Excelにデータを入力する担当者が約10名×9工場、それに本社も含めたデータの集約が必要となっていて、予算データを確認するリーダーなどを含めると膨大な人数が関わっています。また予算の修正を行なう場合には電話やメールでのやり取りが複数回必要ですので、本社・工場とも業務負荷が高くなっていました。
経営判断に貢献する管理会計の仕組み化を実行
【Workday Adaptive Planningを選んだ理由】
Workday Adaptive Planningの導入にあたって直接的に期待した効果は、本社での集計作業が不要となること、リアルタイムでデータが更新できること、全工場同一のフォーマットに各工場の担当者が直接入力できるようにすること、によって業務効率を向上させることでした。
2点目は、低コストでシステムの導入や運用が行えることも重要なポイントでした。クラウドシステムの導入によって、サーバーを管理する情報システム部門の負荷を高めることもなく高い費用対効果を実現したいと考えていました。
3点目は、リスク管理の点です。情報漏えいなどのクラウドシステム特有のリスクの評価が必要でした。こちらは弊社のリスク管理基準をクリアできるものになっていることを情報システム部門が確認しました。
本部側でのチェック作業が大幅削減。まずは運用の定着支援から
【導入後の様子】
実際に昨秋の予算作成からWorkday Adaptive Planningを使用し始めました。本社の集計が全く必要なくなったことが最大の成果です。また、予算の修正が必要となった場合に、本社と工場で同じ画面を見ながら話ができるので依頼から再集計までの時間が短くなり、データの作成・集計にかかる時間を大きく削減できました。
導入に際して工場には複数回説明会を開催しました。ブラウザやJava(※)のバージョンの問題もありセッティングには苦労もありましたし、Excelと使い勝手が異なるため工場担当者の戸惑いや個別の操作説明対応が必要なケースも見られましたが、無事一連の予算作成作業を終えることができました。 (※2021年7月の現時点で、Javaによるシステム運用は排除されており、インターネットブラウザだけで稼働できるようになっております)
まだ導入間もないため、工場での操作に不慣れな点は残っていますが、今後このシステムを使いこなせるようになれば、さらに本社も工場も予算作成の効率化を実現でき、予算の検討に割く時間を増やすことができると感じています。現在の状況はまだ2合目というところでしょうか。
各月の数値把握化、工場の業績評価システムの連動、全社化など展望が膨らみます
【今後の展望】
今後は、いよいよ実績データの取り込みを始めます。月次での予実算対比を行うなど実績管理をしっかりやっていきたいと思います。見やすい帳票やグラフ化を行ってデータを可視化し、コストダウンに寄与できるようにすることが直近の課題です。そのためにダッシュボード/グラフを充実させていきたいと思います。
今回「Discovery」というWorkdayAdaptivePlanningのオプションBI機能も使って、視覚的に工場での取り組みの成果を確認できるようにすることが理想です。今まではExcelを使って帳票やグラフ資料を充実してきたので、少なくとも同じ水準までは資料レベルを確保したいところです。
そしてその次のステップとしては、工場業績評価制度との連携や製造原価シミュレーションが可能な管理会計ツールとして活用し、今までよりもさらに迅速な意思決定を行ない、コスト競争力の強化、企業価値の向上につなげていきたいと考えています。
このように、WorkdayAdaptivePlanningを導入してまだ数ヶ月ですが、このシステムの果たす役割は大きいと考えています。WorkdayAdaptivePlanningの今後のさらなる機能の充実と操作性の向上、サポート体制の整備について期待しているところです。 Workday Adaptive Planningとは?>> https://bit.ly/38d0HzA